1月21日放送のザ!世界仰天ニュース
で無実の大学生が突然逮捕された
事件について取り上げられます。
これは、いわゆる冤罪事件、
警察の誤認逮捕でありますが、
やはり無くなるものでは
ありませんよね。
それにしてもひどいですが、
今回は、なぜ大学生は
誤認逮捕されたのか。
冤罪事件の概要や真実、
賠償金について紹介していきます。
目次
大阪の男子大学生はなぜ誤認逮捕された?
無実の男子大学生が詐欺容疑で4回も逮捕!
事の発端は、2018年7月30日。
大学生は、大阪市内で
大津北署の刑事3人に呼び止められ
突然逮捕状を見せられました。
大学生には全く心当たりがなく
「え、どういうこと?」
「身に覚えありません」
と答えたそうですが、
「分かった分かった。
あっち(大津)で話を聞くから」と
手錠を掛けられました。
容疑は、共謀し高齢者から
現金計200万円をだまし取った疑い。
大学生は、無実でありながらも
逮捕されてしまったのです。
大阪の大学生はなぜ誤認逮捕された?
では、なぜ男子大学生は
逮捕されてしまったのか。
それは、大学生が
「共犯者」の知人らの供述によって
特殊犯罪の「上位役・指示役」に
させられていたからでした。
虚偽供述というものですね。
詳しく説明すると、
(※登場人物は大学生・知人・少年)
実際に犯罪を犯していた
「共犯者」の知人とは、
アルバイトを通じて知り合ったが
詐欺グループの一員とは知らず
関わりを持っていました。
「共犯者」の知人は、
大学生の逮捕前の5月に
詐欺容疑で県警に逮捕されていました。
知人は調べの途中で
「大学生から詐欺の仕事を
紹介され、報酬をもらった」と
供述を変えていました。
また、同時期に県警に逮捕された
もう1人の「共犯者」の少年も、
7月に「男性にアドバイスを受けた」
といった内容の供述を始めました。
その結果、大学生は
濡れ衣を着せられて、7月30日
逮捕されてしまったのです。
アルバイトの知人に
詐欺犯罪者がいたなんて、
防ごうにも防げませんよね。
冤罪事件の真実・真相は?滋賀県警の取り調べもひどい?
誤認逮捕に至るまでと
誤認逮捕に至った後、
この冤罪事件には
信じられないような
真実・真相がありました。
冤罪事件の真実・真相は?
「共犯者」の知人が
「大学生から詐欺の仕事を
紹介され、報酬をもらった」
と供述を変えたこと自体は、
ハッキリとはわかっていませんが
その後、「共犯者」少年が
「男性にアドバイスを受けた」
と供述を変えたのには
理由がありました。
というのも滋賀県警と大津地検は
少年に、知人の供述内容を
詳細に伝えていたのです。
当初、少年の方は犯行計画について
「いつも前日に知人と打ち合わせを
していた」と話していました。
しかし地検が少年に
「『知人は大学生宅で大学生も一緒に
話し合った』と言っている」と
教えた後に少年が供述を変えたのです。
つまり県警と地検は、「共犯者」の
虚偽供述を別の共犯者に伝え
供述を引き出すといった手法で
有罪と決めつけ逮捕したのです。
そもそも、知人の供述には
客観的な証拠がないにも関わらず。
こういった話を聞くと、
氷山の一角なんだろうな
と思ってしまいますよね。
滋賀県警の取り調べもひどい?
大学生は逮捕され、
取り調べを受けたのですが、
答えることがないので、
黙秘をしていました。
すると
- 「なんで黙秘すんねん。やってるからやろ」
- 「しゃべれや、うそつくなや」
- 「詐欺は長いぞー、4回は逮捕されるな」
などと追及されたといいます。
それでも大学生は黙秘を続け、
その結果、担当の刑事は居眠り。
「調べることがないなら終わって」
と大学生が起こすことも
あったみたいです。
取り調べの追及に関しては
最早、脅迫に近いですよね。
こういった取り調べも警察にとっては
当たり前になっているんだなと
思わざるを得ませんな。
裁判の判決や逮捕された大学生のその後は?
裁判の判決はどうなった?
裁判では、地検の取り調べの
様子を録音・録画されたものが
証拠提出されました。
判決では、
「詳細に教示し、誘導するかのよう」
「知人の供述に合わせて虚偽供述した可能性も十分ある」
と指摘されました。
さらに、知人が
「大学生宅で大学生も一緒に話し合った」
と供述した、その話し合った日の事。
知人と少年のスマートフォンの
通話履歴では飲食店などと
頻繁に通話していることから
判決は「キャッチ(客引き)のバイトを
していたと推認される」としました。
一方で大学生の弁護人によると
同日夜に大学生は別の友人と
遊ぶ動画をSNSに投稿していたと。
先ほどと話がかぶりますが、
県警と地検はこうした
客観的事実を重視しないまま
「共犯者」2人の証言を有力な証拠とし
有罪立証に進んでいたのでした。
判決で裁判官は
「客観証拠の整合性確認が不十分で、供述を詳細に教えるのは不当。捜査手法を検討しなくてはならない」
などと苦言を呈しました。
また大学生の弁護人は
「二つしかない供述証拠のうち一つを完全に誘導で作っている。真実の発見という捜査の本来の目的をおざなりにした」
と批判しました。
判決があったのは
2019年9月27日。
大学生自身、
知人が自分を陥れたのは
分かっていましたが、
有罪になるかもしれないと
不安を抱えながら臨んだ法廷。
裁判官は「知人らの証言は
信用性に重大な疑義がある」と
無罪を言い渡しました。
逮捕された大学生のその後は?
冤罪で捕まり、それが晴れて
無罪で終わったことは
良かったことかもしれませんが
その代償はあまりにも
大きかったです。
大学生が逮捕されたのは
2018年7月30日。
「証拠隠滅の恐れがない」と
大学生が保釈されたのは
2019年5月。
逮捕は4回、勾留は10カ月に
及びました。
拘置所は独居房だったみたいです。
さらに大学生は逮捕当時、就活生。
就職活動では数社からの内定を
得ていたのですが、
全部だめになりました。
大学は休学し、留年したそうです。
無罪を言い渡された大学生は
2019年9月に復学し、
就活もまた始めるとのことでした。
人生を狂わされていますよね。
知人から陥れられたのは
防ぎようもなかったのかも
知れないですが、
警察の調査は、おざなり
という感じがしますよね。
明日は我が身と言いますか、
とても怖い話です。
賠償金・保証金はいくら?
ここまでの話、さすがに
賠償金や保証金はあるだろうと
賠償金についても調べてみました。
●誤認逮捕を受け、その後裁判で無実が認められた場合は刑事補償法の対象になる
「憲法では『何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる』(憲法40条)と規定しています。この憲法の規定を受けて、刑事補償法は、逮捕・勾留1日あたり1,000円以上12,500円以下の割合による補償金の交付を受けられる旨規定しています(刑事補償法4条1項)。」 引用元:弁護士ドットコム
今回の大学生の誤認逮捕は
逮捕・拘留されていますので
刑事補償法の対象になりますね。
1日最高で12500円なので
10か月=300日と考えると
375万円になります。
1日最低で1000円というのは
あまりにもひどく思いますが
その場合、30万円
ということになります。
まとめ
今回は、大阪市内の大学生が
詐欺容疑で誤認逮捕された
事件について紹介しました。
最近では、愛媛の女子大学生が
窃盗容疑で誤認逮捕され
実名まで公表された事件が
ありましたよね。
その際の取り調べも、
酷いものだったという報道でした。
誤認逮捕された方は、
人生狂わされているのに
担当の刑事に関しては、
個人の責任にはならず、
組織の責任として扱われる。
誤認逮捕は無くならない
とは思いますが、
何かしらの改革は必要
なのかもしれませんね。